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2012年 02月 21日
God Only Knows - The Beach Boys- I may not always love you, But long as there are stars about you, You never need to doubt it. I'll make you so sure about it. いかなるときにも君を愛するとは、言い切れないかもね。 でも見上げる空に星があるかぎり 僕の想いを疑う必要はないんだよ。 時がくれば、君にもそれがわかるだろう。 God only knows what I'd be without you. 君のいない僕の人生がどんなものか、それは神さましか知らない。 If you should ever leave me, Though life would still go on, believe me, The world could show nothing to me, So what good would living do me? もし君がどこかに去っても 人生はつづくかもね。でもそれでは、 この世界が僕に示せるものなど何ひとつない。 そんな人生に、なんの値打ちがあるだろう。 (訳) 村上春樹 #
by revisit74
| 2012-02-21 23:23
| music
2010年 06月 04日
テーマ:バッハの音楽の普遍性と作曲技法に迫る
Workshop Part1. ゲスト講師:岡田曉生 講義(1) 「対位法」を学ぶ 対位法:色々な旋律が並行して束になり1つの調和した響きとする技法 例1. ①♪組曲 第3番 ニ長調からアリア(G線上のアリア) 第一バイオリンの旋律 ②♪組曲 第3番 ニ長調からアリア(G線上のアリア) 第一、第二バイオリンの旋律 → 2声になると演奏の最後の部分で第一バイオリンの「ソ」の音と第二バイオリン の「ファ♯」の音が不協和音的にぶつかり、そこに緊張が生まれ、この曲の 良さになっている。 バッハは対位法によって2つ以上の旋律を組み合わせより深い音楽表現を 追求した。 例2. ♪インヴェンション … ピアノの練習曲として知られる。 「ド・レ・ミ・ファ・レ・ミ・ド・ソ」という音形(*1)。 この旋律の右手の演奏、左手の演奏が繰り返される=カノン(*2)の手法。 ほとんどこの旋律の繰り返しで曲が構成されている。 *1 音形 まとまった形のリズムや旋律。曲の中で繰り返されることが多い。 *2 カノン 対位法を使った楽曲形式。輪唱のように同じ旋律が繰り返される。 ・使い廻し可能な「テーマ」を見つける! ・対位法的な作り方の中では「カノン」という方法はよく使われる。 ・「カノン」より更に難しい作り方が「フーガ」(*3)と言われる手法。 *3 フーガ 対位法を使った楽曲形式。ひとつあるいは複数の旋律は繰り返される。 (フーガの代表的な楽曲) ♪平均律クラヴィーア第2巻 第15 ト長調 (J.S バッハ) 鼎談:再発見され続けるバッハ ゲスト講師:小沼純一、岡田暁生 ・バッハはずっと聴かれ続けてきた訳ではなく、忘れられたり、再発見され 続けている。 ・有名な例としては「マタイ受難曲」をメンデルス・ゾーンが19世紀に入って 再演するまで、約100年の間忘れられていた。 ・当時の風習としては、何かのイベント時に曲を書いて演奏されるのが一般的 で1回限りのものだった。よって再演という概念がそもそもなかった。 ・その流れが変わりはじめたのが18世紀末くらいに「古学マニア」が現れはじめ たことによる。「古学マニア」は譜面を収集していた。そんな中でバッハが 再発見されていく。 ♪モーツァルト 交響曲 第41番ハ長調「ジュピター」から第4楽章 (1788年) → 「対位法」を使った代表的な曲 ♪ベートーヴェン ピアノソナタ 第31番イ長調から第3楽章 (1821年) →「フーガ」を使った曲 両者とも晩年に向かってバッハを知り深化した! ♪イタリア協奏曲 第1楽章、第2楽章 (J.S バッハ) グレン・グールド 27歳の記憶 ・バッハ的なものは歴史のあちこちに見られる。 ・何か困るとバッハを振り返ることがある。 Workshop Part2. ゲスト講師:岡田曉生 講義(2) 「対位法」を体験する ↓カウンターポイント=対位(法) 旋律A -------------♪- 旋律B ------------♪------- 旋律C ---------♪------------ ※複数の旋律が重なる曲のある時点をとると、それぞれの音が調和して いなくてはならない。 (課題) 与えられた旋律から「対位法」を意識して、その旋律に合うもう一つの旋律を 考える。 鼎談:バッハの普遍性 ゲスト講師:小沼純一、浅田彰 ・バッハの曲が現代になっても魅力が失われないその秘密とは!? ・バッハの曲には例えばスキャットにアレンジしてもJAZZにアレンジしても 良いという不思議な普遍性がある。 =他の作曲家の曲はなかなかそうはいかない… ・バッハの曲は永遠のヒット曲!(教授談) Workshop Part3. ゲスト講師:岡田曉生 「対位法」で作曲したもう一つの旋律を発表。 「BACH」のスペルはドイツの音名に置き換える事が出来る。 B … シ0 A … ラ C … ド H … シ 「BACH」の主題による即興演奏 @ピアノ 演奏/坂本龍一 (参考) NHK schola 坂本龍一 音楽の学校:http://www.nhk.or.jp/schola/ commmons:schola: http://www.commmonsmart.com/schola/ #
by revisit74
| 2010-06-04 00:48
| Schola_note
2010年 05月 09日
テーマ:バッハが音楽に込めた神への想い、低音が担う重要な役割について学ぶ
鼎談:バッハと宗教音楽 ゲスト講師:小沼純一、岡田暁生 ・バッハが信仰心が厚く、マタイ受難曲は祈りながら一音一音書いたとの言われる。 バッハにとって教会音楽は非常に重要な位置にあった。 ・当時ライプツィヒ(*1)はルターが始めた宗教改革(*2)の牙城。 プロテスタントというのは所謂「原理主教」で「聖書に戻れ!」という事を主張 していた。それは今まで教会を通してしか神と対話出来なかったのに。原理宗教 は聖書を通して全ての人が神と対話出来ると説いた。 ・神を語る言葉ではないドイツ語で聖書を読み、しかもドイツ語で神の言葉として の音楽を聴く、それが以前だと考えられないことだった。 ・バッハが活動したライプツィヒは東欧の方に迫り出した町で、イタリア、フランス ウィーンからは離れた田舎町。 ・バッハにとって音楽とは神との対話、祈りに近いもので、神との直接のコミュニ ケーションだとすれば、どこにいても出来るもの。むしろ辺境でも良い。 ・戦前、ドイツで一番のお金持ちの町はライプツィヒだったといわれる。 宗教にとっても斬新な町だったように、一種 情報の集積地(出版町)になっていた。 ・バッハもそういった沢山の情報に触れていたはず。 ・一方で強固な宗教都市、一方で投資の情報の発信基地という二面性がライプツィヒ にはあった。 *1 ライプツィヒ バッハは1723年から没年となる1750年までドイツ中東部のライプツィヒで 活動した。 *2 ルターの宗教改革 マルティン・ルターがドイツを中心に起こした16世紀のキリスト教改革運動。 ローマ教会の腐敗を批判したルターは「全ての人は聖書を通して等しく神と 対話できる」と説いた。 ルターは聖書をドイツ語に翻訳。これにより聖書はドイツ語圏の一般民衆に 広く読まれるようになっていった。 ♪マタイ受難曲 「娘たちよ来なさい、ともに嘆き悲しみなさい」 受難曲とはイエス・キリストが十字架にかけられて受けた苦難をテーマにした宗教音楽。 オルガン奏者として教会で演奏したバッハは、マタイ受難曲をはじめパイプオルガンの 低音を活かした宗教音楽を数多く手がけた。 この曲ではオルガンの低音パートが十字架を背負うイエスとともに歩む信者たちの足取り を表現しているといわれている。 Workshop Part1. ゲスト講師:岡田曉生 講義(1) 通奏低音(=曲を通して演奏される低温パートのこと)を知る ・音楽というとメロディを意識して聴くことが多いが、特にバッハの曲は低音が重要視 されていた。 ♪組曲 第3番 ニ長調からアリア(G線上のアリア) ドイツのバイオリニスト ウィルヘルミはニ長調のこの曲をハ長調に移調すると一本の 弦で演奏できることを発見し、バイオリン奏者のために編曲した。 使用する弦が4番線(G線)のみであることから「G線上のアリア」と呼ばれるようになった。 (1) 第一バイオリン旋律のみの演奏 (メロディーだけを聴く) (2) いつものアリアを聴く 岡田暁生から演者への質問:コンサートマスター(=オーケストラをまとめる役割を 担う人)は誰か? 演者の回答:低音(チェロ、チェンバロ、コントラバス)がリードする。 ↓ ・バッハのアンサンブルは実は一番目立たない低音の人が全体を支え、しかし一番 全体をリードしなくてはならない。 ・バッハの時代、現代のオーケストラのように演奏者の前に立つ指揮者がいなかった。 自らが演奏するオルガンやチェンバロの音で全体をリードした。 (3) 通奏低音のみの演奏 鼎談:バッハにとっての低音 ♪コルトベルグ変奏曲からアリア (演奏:グレン:グールド) クルトベルク変奏曲は一説によるとバッハの後援者である伯爵の不眠症を癒すために 作られたといわれる。 ・全部で30のバリエーションがあるが、全部ベースラインが同じ。 そういう意味では現在のJAZZとかポピュラーミュージックの作り方と同じ。 ・JAZZとバッハは親和性がある。 ・グールドが「オルガン弾きは足で音楽を組み立てるのだ」と書いている。 ・バッハが弟子に語ったと言われる言葉。 「通奏低音は音楽の最も完全な基礎であり、通奏低音の究極の目的は あらゆる言葉と同様、神の栄光と魂の再生である」 Workshop Part2. 講義(2) ベースを利用して即興する。 ・通奏低音を受け持つ楽器:チェロ、コントラバス、チェンバロなど ・チェンバロは実は即興で演奏されている。 ・楽譜は和音を表す数字が記載されている=現代のコードネームのような役割を担う。 ・昔は即興と作曲が分離していなかった。 ・JAZZやロックやポップスなどもこういう書き方をして、弾き方にその人の個性に 任せる。同じ曲、同じハーモニーで弾いても人により、また人の組み合わせによって 違いが出てくる。 ・バッハはベースの上に音楽を構築していた。 ♪マタイ受難曲 「神よ、あわれみたまえ」 演奏/坂本龍一、藤原真理 この曲は新約聖書「マタイによる福音書」においてイエス・キリストが十字架にかけ られ、受けた苦難をテーマにして音楽。 バッハは受難曲を5曲作曲したといわれるが、楽譜が残っているのは「ヨハネ受難曲」 とこの「マタイ受難曲」に2曲。 バッハの没後、およそ80年たった1829年、メンデルス・ゾーンがこの曲を上演。 作曲家バッハを再認識させるきっかけとなった。 マタイ受難曲は1部と2部に分かれ、その全編を演奏するとおよそ3時間におよぶ大作。 その壮大なスケール感と叙情性、精巧な音の構成からバッハの作品の中で最高峰に 位置づける人も多い。 (参考) NHK schola 坂本龍一 音楽の学校:http://www.nhk.or.jp/schola/ commmons:schola: http://www.commmonsmart.com/schola/ #
by revisit74
| 2010-05-09 20:52
| Schola_note
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