|
2010年 05月 08日
テーマ:バッハに至る西洋音楽の変遷とバッハの音楽職人としての一面に迫る
鼎談:バッハに至る【西洋音楽の変遷】 ゲスト講師:小沼純一、岡田暁生 (1) 9~11世紀 中世の教会音楽 グレゴリオ聖歌 1つの旋律で歌われるシンプルな音楽 ↓ (2) 12世紀 オルガタム 2つ以上の旋律を持つ ↓ (3) ルネサンス期(14世紀~16世紀) オケゲム 複数の旋律が複雑に絡み合う音楽 ※この頃の音楽になると「協和音」(=同時に鳴らした時によく調和している音) に近いものが出てくる。しかし整備されていない側面も持つ。 ↓ (4) バロック前期(16世紀末) モンテヴェルディ(1567年~1643年) 和音の響きをいかした音楽が盛んになった。 ※だいぶ和声(=ハーモニー)的な音楽の書き方に変わってきている。 ↓ (5) バロック後期(17世紀) J.S.バッハ 非常に整った均整美。現代とほぼ同じ対旋律(=1つの旋律に対して独立して動く 他の旋律)を持つ。 変化の要因は? ・ドミソの「ミ」の発見。 ・「ミ」を入れると不協和音になるため、昔は使ってはいけない音と捉えられていた はずだが、それが協和して聴こえるという感覚の変化があった。 ↓ 「ミ」の発見が西洋音楽に大きな変化をもたらした。 (補足) ~ハ長調~ ド = 1度 ミ = 3度 ソ = 5度 ・中世時代は「空虚五度」(=3度がなく、1度と5度の音だけで構成されるため、 空虚な印象を与える)を基に音楽が永遠に続いていたのが、3度を発見したこと によって「解決」(=不安定で緊張した音から安定した音に変わること)、即ち、 終止が生まれる。終止が生まれるということは、始まりがあって終わりがある という1つの時間上に「物語」が生まれる。 ・感情を音楽で表そうとすると不協和音にならざるを得ない。 ・西洋音楽は音を積み重ねていく歴史。 Workshop Part1. ゲスト講師:岡田曉生 講義(1) 「編曲」を体験する 「編曲」=みんなが知っている曲をどう料理していくかが楽しみであり、作曲家の 腕のみせどころ。 コラール(=キリスト教の教派の1つ プロテスタントの聖歌、賛美歌)の旋律をアレンジ 鼎談:【音楽の職人】バッハ ・当時の作曲家は職人・クラフツマンだからハードとアルス(=術を意味するラテン語。 技術、芸術、美術を内含する)が完全には分かれていない。 ・「作曲」というとPOPミュージックの場合「ソングライティング」と言い、他方、 クラッシクは「コンポーズ」という言い方をする。 ソングライティングというとメロディ中心だが、コンポーズはアレンジも含める ニュアンスもあると思う。 Workshop Part2. 講義(2) 「編曲」の発表 藤原真理による独奏:♪無伴奏チェロ組曲 第一番ト長調前奏曲 無伴奏チェロ組曲は全6曲から構成されるチェロ独奏用の楽曲。 長い間埋もれていたこの曲は、20世紀初めにスペイン人チェリスト パブロ・カザルスにより発掘・再評価された。 現在ではチェリストにとっての聖典とされている。 (参考) NHK schola 坂本龍一 音楽の学校:http://www.nhk.or.jp/schola/ commmons:schola: http://www.commmonsmart.com/schola/
by revisit74
| 2010-05-08 23:37
| Schola_note
|
ファン申請 |
||