|
2010年 06月 04日
テーマ:バッハの音楽の普遍性と作曲技法に迫る
Workshop Part1. ゲスト講師:岡田曉生 講義(1) 「対位法」を学ぶ 対位法:色々な旋律が並行して束になり1つの調和した響きとする技法 例1. ①♪組曲 第3番 ニ長調からアリア(G線上のアリア) 第一バイオリンの旋律 ②♪組曲 第3番 ニ長調からアリア(G線上のアリア) 第一、第二バイオリンの旋律 → 2声になると演奏の最後の部分で第一バイオリンの「ソ」の音と第二バイオリン の「ファ♯」の音が不協和音的にぶつかり、そこに緊張が生まれ、この曲の 良さになっている。 バッハは対位法によって2つ以上の旋律を組み合わせより深い音楽表現を 追求した。 例2. ♪インヴェンション … ピアノの練習曲として知られる。 「ド・レ・ミ・ファ・レ・ミ・ド・ソ」という音形(*1)。 この旋律の右手の演奏、左手の演奏が繰り返される=カノン(*2)の手法。 ほとんどこの旋律の繰り返しで曲が構成されている。 *1 音形 まとまった形のリズムや旋律。曲の中で繰り返されることが多い。 *2 カノン 対位法を使った楽曲形式。輪唱のように同じ旋律が繰り返される。 ・使い廻し可能な「テーマ」を見つける! ・対位法的な作り方の中では「カノン」という方法はよく使われる。 ・「カノン」より更に難しい作り方が「フーガ」(*3)と言われる手法。 *3 フーガ 対位法を使った楽曲形式。ひとつあるいは複数の旋律は繰り返される。 (フーガの代表的な楽曲) ♪平均律クラヴィーア第2巻 第15 ト長調 (J.S バッハ) 鼎談:再発見され続けるバッハ ゲスト講師:小沼純一、岡田暁生 ・バッハはずっと聴かれ続けてきた訳ではなく、忘れられたり、再発見され 続けている。 ・有名な例としては「マタイ受難曲」をメンデルス・ゾーンが19世紀に入って 再演するまで、約100年の間忘れられていた。 ・当時の風習としては、何かのイベント時に曲を書いて演奏されるのが一般的 で1回限りのものだった。よって再演という概念がそもそもなかった。 ・その流れが変わりはじめたのが18世紀末くらいに「古学マニア」が現れはじめ たことによる。「古学マニア」は譜面を収集していた。そんな中でバッハが 再発見されていく。 ♪モーツァルト 交響曲 第41番ハ長調「ジュピター」から第4楽章 (1788年) → 「対位法」を使った代表的な曲 ♪ベートーヴェン ピアノソナタ 第31番イ長調から第3楽章 (1821年) →「フーガ」を使った曲 両者とも晩年に向かってバッハを知り深化した! ♪イタリア協奏曲 第1楽章、第2楽章 (J.S バッハ) グレン・グールド 27歳の記憶 ・バッハ的なものは歴史のあちこちに見られる。 ・何か困るとバッハを振り返ることがある。 Workshop Part2. ゲスト講師:岡田曉生 講義(2) 「対位法」を体験する ↓カウンターポイント=対位(法) 旋律A -------------♪- 旋律B ------------♪------- 旋律C ---------♪------------ ※複数の旋律が重なる曲のある時点をとると、それぞれの音が調和して いなくてはならない。 (課題) 与えられた旋律から「対位法」を意識して、その旋律に合うもう一つの旋律を 考える。 鼎談:バッハの普遍性 ゲスト講師:小沼純一、浅田彰 ・バッハの曲が現代になっても魅力が失われないその秘密とは!? ・バッハの曲には例えばスキャットにアレンジしてもJAZZにアレンジしても 良いという不思議な普遍性がある。 =他の作曲家の曲はなかなかそうはいかない… ・バッハの曲は永遠のヒット曲!(教授談) Workshop Part3. ゲスト講師:岡田曉生 「対位法」で作曲したもう一つの旋律を発表。 「BACH」のスペルはドイツの音名に置き換える事が出来る。 B … シ0 A … ラ C … ド H … シ 「BACH」の主題による即興演奏 @ピアノ 演奏/坂本龍一 (参考) NHK schola 坂本龍一 音楽の学校:http://www.nhk.or.jp/schola/ commmons:schola: http://www.commmonsmart.com/schola/
by revisit74
| 2010-06-04 00:48
| Schola_note
|
ファン申請 |
||